2000年12月16日にはニューヨークでのコーヒーの国際価格は1lb=$0.667、2001年2月16日には、1lb=$0.61でした。1月27日には、コーヒー国際価格がこの間を推移していたと予想されます。
残念ながら、世界中どのフェアトレード協同組合も、生産するすべてのコーヒーをフェアトレードコーヒーとして輸出することはできていません。
ニカラグアのエステリに事務所を構えるこのフェアトレード協同組合では、組合を構成する生産者に還元する金額に関して、フェアトレードコーヒーとして輸出した分と、それ以外のコーヒーに対する価格差を写真のように明示していました。
生産者の生活を保護するフェ |
←ニカラグアのフェアトレード協同組合のコーヒー加工施設に掲げてあったホワイトボード。コーヒーの収穫に対して生産者がいくら手にすることができるかを示してある。
コーヒー価格(Precios Del Cafe)
2001年1月27日(27 Enero 2001)
オーガニックフェアトレードコーヒー
(Organico Comercio Justo)
1176.30コルドバ($90.48/100lb)
オーガニックコンベンショナルコーヒー
(Organico Mercado Conventional)
633.39コルドバ($48.72/100lb)
フェアトレードコンベンショナルコーヒー
(Conventional Comercio Justo)
1022.87コルドバ($78.68/100lb)
コンベンショナルコーヒー
(Conventional Mercado Conventional)
480コルドバ($36.92/100lb)
(当時のレート:$1=約13コルドバ)
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◆ オーガニックコーヒーの場合
認証オーガニックのフェアトレードコーヒーとして輸出できたコーヒーによって(註1)、協同組合は$0.90/lb(1lb=454g)を生産者に支払うことができます。しかし、オーガニック認証コーヒーであってもフェアトレードとして輸出できなかった分は、約$0.49/lbしか生産者に還元することができません。
(註1:持続的な農法をサポートする為に、フェアトレード認証システムは認証オーガニックコーヒーに対して、1lbあたり$0.15のプレミアムを保証しています。)
◆ コンベンショナルコーヒー(オーガニックでないコーヒー)の場合
フェアトレードとして輸出できたコーヒーに対して、約$0.78/lbが生産者に支払われています。しかし、フェアトレードとして輸出できなかった場合、$0.37/lbしか生産者に還元することができません。
一般的に$0.60~$0.65/lb以下ではコーヒー生産は十分行うことができないといわれています。2000-2001年のフェアトレーディングの調査ではコスタリカで$0.67/lb(サビーノ・モンテロ氏:エルドス協同組合プレジデント)、ニカラグアで$0.40/lbや$0.58lb(サンチアゴ・リベラ氏:プロドコープに属するフェアトレードコーヒー生産協同組合の出納係)という生産コストの数字が聞かれました。
コーヒー国際価格が1lb=約$0.61であるということは、コーヒー生産国に届く以前に、コーヒー価格が既にコーヒー生産コストを割っている地域があることを意味します。今までのコーヒー取引の場合、この価格から更に中間業者が彼らのマージンを手にすることになります。
実際、フェアトレードに関わっていないニカラグアのコーヒー生産者は、この時期およそ$0.20-25/lbしか受け取っていないことが確認されています。写真からわかるように、このフェアトレード協同組合では、$0.78/lbを生産者へ還元しており、金額にして約3倍もの開きがあります。この違いがフェアトレードと従来のコーヒー取引の違いなのです。
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アメリカのフェアトレード認証団体、トランスフェアUSAが主催した中米フェアトレードコーヒーツアー。中央の左にいるのは、ツアー参加者にフェアトレードが生産者の生活をどのように変えてきたか説明をするサンチアゴ・リベラ氏。ツアーにはアメリカの多くのスペシャルティコーヒー会社のスタッフと共に、アメリカの開発NGO、オクスファムアメリカのフェアトレードコーヒーコーディネーターも参加していました。
2001年2月 ニカラグア
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